独立系クリエーター・事業主・小規模企業経営者のための新・経営安定化戦略入門
クリエイティブに突き抜けて生涯を過ごすために必要なたった1つの戦略
東京都心、目黒区内の駅徒歩4分の場所に「賃貸収益付きの自宅兼事務所」の自社ビル物件を建設した著作家・エッセイスト潮凪洋介氏と「122棟・満室率実績97%の不動産コンサルタント大長伸吉氏」による独立系クリエーター・事業主・小規模企業経営者向けの「Creative×不動産による経営安定化戦略」についての対談コラムを公開。「収益性のある自宅付き物件を得ることが真のクリエイティブにつながる」――そう語る2人の先駆者が最新の情報・ノウハウについて経験談をもとに解説いたします。
企業へ就職するも・・・脱サラして自由業へ
実は、潮凪氏は有名大学卒業後、某IT企業のサラリーマンだったというご経歴があります。今回は、そんな潮凪洋介氏が“脱サラ”独立、事業主としてクリエイティブ活動をスタートをされた経緯から、赤裸々に語っていただきました。
Q:潮凪先生は、もともと一軒家をお持ちだったとか。しかも都内に購入されたのですよね?そもそもなぜ、住むところはマンションじゃなく“家“だったのでしょうか?
潮凪 今、この記事を読んでいるのは、クリエイター、ライター、デザイナーの方、編集プロダクション経営の方・・・など色々な方がいらっしゃると思うのですが、何らかの「志」を持ってそういったお仕事にシフトした方も多いかと思います。僕も「志」がありました。
「日本を生きることを楽しむ国する!」とかね(笑)
でも、独立した当初は僕も食うのがやっとでした。しかし、それでは家族に悪いなと思ったのと、何か”シンボル“的なものがあると頑張れると思ったので、借りられるお金の範囲で5000万円弱位の自宅を購入したんです。なんというか、その家の1Fに自分を縛りつけて、死ぬ気で働いて気鋭のクリエイティブなことを始めようと思ったんですよ。いざと言う時、たとえ自分が倒れたとしても保険で全額住宅ローンが払えたので家族には家だけでも残せると思い、”自分のシンボル“にすると思って住宅を購入したんです。
どおしてマンションではなく“家”が良かったのか? このあたりは、僕が感覚的なのかあるいは職業柄そういう判断をしがちなのかはわからないところではありますが、知識がないなりに考えたり、感じたりしたことを思い出しますと(1)マンションの場合、過去に近所迷惑で注意されたことがあり(笑)この先も、おそらく自分も、友人を招いたときも、あるいは子供たちも騒いだりして近所迷惑をかけたりするのではないか?という勝手な想像がありましたね・・・・さらには(2)土地さえもっていればその上に好きなものを建てられるのかも?的な浅知恵に近い考えはありました。そしてもうひとつは・・(3)一戸建てのほうが一国一城感が強く、なんとなく重厚感が感じられた、自分がしっくり来たから・・・というのがありましたね。さらには(4)“脱サラ”ですから、もしかしたらうまくいかないかもしれないから、その時に最低限得られるモノ、投資で言えば、家が限界かな?という点もありました。大きな夢も描きましたよ、六本木ヒルズに事務所を出したりとか。でもその頃は、等身大で考えれば、最低限一戸建てを持って、その1Fの一室を事務所にしてSOHOっぽく、まあ、来客もほぼできない状態で、しばらくはやって食つなぐんだろうなあ、そのほうが出費も少なくていいし、それが最低限かっこがつく、、最高到達点なんだろうな・・・って思ったからですね。
Q:なるほど〜。でも20代でお子さんもいて脱サラして家持つって結構な決断力ですよね。そして作家というクリエイティブ業で食べて行くと決めるってすごいです。タワーマンションにも事務所を別に借りられていたのですよね?
潮凪 そうですね。ただ、物書きや作家業になると言っても、そう簡単にすぐなれるもんじゃないですよね。それだけでは、妻子を養ってもいけないです。なので、当初はパラレルで色々な仕事を掛け持って頑張っていました。過去の経験を生かしてコラムを書き、またオールアバウトのような大手総合情報サイトでのガイドのオーディションを受けたりしました。並行してアパレル企業のPRの仕事もやっていました。そういった地道な下積みも経てきましたが、しばらくすると事業がだんだんと軌道に乗ってうまくいきはじめました。収入もおかげさまで順調に増えていきました。
すると、少し欲が出て、家と事務所を分けたいと思うようになって。その時に、港区の芝浦アイランド周辺を通りがかり、「ここは気がいいなぁ」と感じたのです。上昇気流に乗った人たちがたくさん集まるエリアで自分のエネルギーを出せたらいいなぁと。
そこで、港区芝浦に事務所を借りました。
そこから8年から10年、上昇気流に乗った人たちと一緒に楽しく過ごして仕事もがんばって充実しました。同じように、タワーマンションに事務所を出したり、渋谷や六本木に事務所を出した仲間たちとの交流もどんどん広がって増えてゆきましたね。
ただそこでちょっと感じだしたことがあって。
“オンもオフも充実したこのライフスタイルは素晴らしいけど、結局賃貸なんだな―――”そう思ったのです。
当たり前ですが、毎月のように固定費が掛け捨てで出ていくんですよね、家賃として。この出費をもっと効率化できないかなと思っていたところ、自社不動産+自宅家のような、自社ビルを作りたいと思いはじめました。
Q:港区のタワーマンションはなぜ手放したのですか?
潮凪 タワーマンションにはタワーマンションのメリットがありました。だけど“この絶景は、不動産事業がうまくいったら、もう一度また手に入れればいいかな“と考えるようになったのです。8年間も芝浦アイランドで過ごしましたしね。クリエイティブ業でかつ小規模事業者や経営者のなかには割と同じような考え方に至る方も多いかもしれませんね。
Q:その時に住んでいた自宅には何か不便や不満などはありましたか?
潮凪 自宅は駅から遠い物件でした。駅徒歩15分ほどだったんです。僕の場合、幸いにして都心かつ、目黒に家を手に入れられたんですが、物件自体は広くなく、3階建ての家でした。床面積が75平方メートル位だったんですね。でも最初は、自宅を手に入れるってすごく嬉しかったですよ。マイホームを目黒に?なんてとびきり嬉しかったです。しかもこんな自由業で!(笑)
しかし子供も大きくなってくると、だんだん手狭になってきました。ただ、それが耐えられなかったと言うわけでもなかったのです―――不満よりも、より大きな「ドリーム」の高まりが止まらくなってしまった・・・というか。当時44歳、そろそろまあ、等身大の自社ビルを持ってみたいなあという「響き」ですね。
友人、先輩、後輩は会社を年商10億、50億、なかには100億と大きくしていたり、上場する人も出はじめて、あるいは会社員の友人は上場企業で部長、局長と出世していってて。でも僕の職種はそうゆう成長曲線は描かないから、何か意地というか、対抗シンボルというか、彼らができないこと、やらないことを、こう、なんていうんでしょう・・・アウトサイドからぶち上げて見たかったんですですよ。クリエイティブアウトサイダーの意地として(笑)
Q:なるほど!独立系クリエーター、事業主・小規模企業経営者は大きく“夢”を持て!というわけですね?
潮凪 そうですね(笑)大会社という大舞台を背負っているわけじゃないから、その人のパーソナリティを魅力的にするロマンがないとダメだと思います。一部上場企業の会社員から「いいなあ、自由で、お金もあって、やりたいこともやっててさ・・」って、憧れられるようでなければ、自由業やっている意味はないです(笑)
ちょっと言いすぎかもしれませんが、背中を丸めていちゃだめですよ。ただ、それに見合ったロマン、ハート、実力も欲しいところです。私たちは65歳をすぎても世の中を明るく引っ張ってゆく役目がありますよ。とくに退職組の方々を・・・・・
Q:事業主になると、“経費削減“はやはりポイントですよね・・・
潮凪 僕も2007年~2015年まで芝浦アイランドと言う夢のようなエリアで事務所を構え、かつ目黒に自宅をキープしながら事業を経営していましたが、そこで「さらに、この上のステージはなんだろうか?」と思った時に、もっと巨大な、そして自分のシンボルとなる、本当の意味での一国一城…と言いますか、地に足をついたものが欲しくなりましたね。
年齢的にも今までの頑張りの成果としても形を残すのはいいんじゃないかなと。旧宅を手放すのは確かに寂しかったんですけれども、それ以上に希望の方が大きく勝ちましたね。あとは少しイヤらしいかもですが、「夢を追った結果、こうなるど!!ドヤ!!」という気持ちもありました・・・かつて僕をバカにした親、会社の先輩、その他を見返したい的な(笑)
ほら見ろ!と、いつまで中2やねんって感じですが、まあ、冗談です。若者に夢を追ってがんばればこうなれるよというのを若い人に伝えたかったし、あとは頑張ってきた自分の魂(たましい)へのおそなえモノですかね・・・執念みたいなものがすこし成仏したような(笑)」
加えてもう一つ、出費を抑えると言う目的がありまして。以前は、自宅と芝浦の事務所を合わせると1ヶ月で35〜40万円くらい家賃固定費としてかかってしまったんですね。この毎月の負担をもっと軽くできないかなと思いまして、守りの部分も気持ちとしてありました。
8年間で、2つ合わせて2800万円も払ってしまっているので、それらがあればもっと資産活用できたのではないかなと思います。もっともそういった考え方にシフトしていきました。芝浦や一頭地に事務所を出すと場所柄、エネルギーも強いですしいいお客さんもやってくるんですが。それを感じつつの決断でしたね。
Q:潮凪さんと大長さんの出会いのきっかけは何だったのでしょうか?
潮凪 当時、芝浦で開催された出版入門セミナーに大長さんが参加されていらっしゃったんですよね。そこで、大長さんの書籍のプロデュースにて関わるだったですよね。大長さんが賃貸併用住宅の内容についての書籍を添削することによって、自分でも実現できるんではないかと思ってチャレンジしてみたのです。
大長 その時に三冊目の著書を出そうとしていました。潮凪先生はオールアバウトのガイドとしても活躍されていましたので、面白そうだと思って先生のセミナーに参加したのです。オールアバウトプロファイルには当時たくさんセミナーが開催されていまして、私もよく参加していました。私はコラムを書いていましたので、そのコラムのクオリティーを高めてもらうために指導してもらいました。
Q:その流れから潮凪先生が運営されている著者養成・エッセイスト養成学校「潮凪道場」に入門されたのですね。潮凪先生、大長さんの指導に入るまで実際に不動産の分野に対してどんなイメージを持っていらっしゃったのですか?
潮凪 僕は中学生の時からずっと数字が苦手だったんです。大人になってからも投資や株についても苦手で、不動産には一生縁がないんじゃないかと思っていたのですね。不動産と言えば、マメでお金をたくさん持っている人がやるものだと思っていましたので、自分が不動産に手をつけるとは思っていなかったのです。なぜなら、難しいだろうと思っていたし、何よりうまくいかないんじゃないかと思ったのです。よくいる、投資や不動産について勉強しない…将来投資まで目が向かない人でありました。だから自分でやると正直思っていなかったです。自分は能力がないと。
Q:それまでご縁がなかった不動産投資をなぜやってみようと思ったのですか?
潮凪 例えば不動産でうまくいく方法なんて世の中にはたくさんあるのでしょうけれど、その方が過去にどれだけの実績をお持ちだったかと言うことに注目しました。その中で大長さんは97%満室であると言う事が重要なポイントでしたね。ご本人も多くのお部屋やマンションを運用されていてしかもそれが全部黒字であったことを確認しました。それが1番のポイントでした。
では実際に不動産を取得するにはどうしたらと言うところで、実際に私が手元に1億円や2億円持てると言うわけではありませんでしたので、そこまでのお金がなくても良い土地を探していい企画の建物を建てることによって毎月のローンの支払いはマイナスにならない、出費が良くなる、しかも不動産が手に入ると言うことが瞬間的にわかるように伝えてくれたのが大長さんだったのです。すごく易しい言葉で。もしこれが、ゼロから不動産を勉強するとなると難しい言葉に圧倒されて途中でくじけてしまったかもしれません。大長さんは、すごくシンプルにわかりやすく教えて下さいました。もちろん、途中過程で専門的な内容も多々あったのですが、そこも非常にやさしく伝えてくださる方だったので不動産素人の自分にもスムーズに理解できました。それが本格的にやろうと思った決め手でした。
他のコンサルタントさんとの違いとして、大長さんは中古ワンルームマンション、新築ワンルームマンション、中古一軒家、世田谷など都内と地方、東京都下に新築アパートを建てるなど全て同じ種類の不動産経営をされていないということが特徴です。それらを15年前から1つも売却していない現役オーナーさんでもあり、データを実際に採取、すべて実績として残していらっしゃることも大変参考になり、アドバイスをお願いしたいと思えたポイントでした。
大長 ありがとうございます。私はもともと理系で、実は不動産については25年前は素人でした。自分でやってきたことを記録に取って、お客様がどんなことを心配してどう考えるのかをそのままコンサルしています。最初からプロだったのではなく、一般からプロになったので、それを皆さんにお伝えしてるのですね。ですから、これから不動産を始めていくお客様の立場に立ってお話をさせていただくことを心がけています。そのスタンスで現在122棟をコンサルさせていただいていますね。
Q: なるほど、そういった流れで潮凪先生は大長さんのノウハウを使えば、ご自身も賃貸併用住宅を建てることができると確信を持たれたのですね。
潮凪 はい。そうですね。
Q:ただ、気になった点があるのですが・・・。潮凪先生はいわゆる会社員でなく、小規模企業の自営業の立場ですよね? 一般的には、自営業の方は家を建てることが難しいとよく言われますが、潮凪先生ご自身はどのようにお考えだったのでしょうか。
潮凪 はい、実は、それすらも知りませんでした(笑)すぐに大長さんが、「3期黒字であれば、後は良い土地を見つけてもらえば大丈夫ですから!」と言ってくださったので、「じゃあ、やってみます」と言ったんですね。
大長 実を言いますと、自営業の方は「融資が下りにくい」と思い込んでいる方は多いのですが、これは、“住宅ローン融資”について融資に苦労されていることが多いのです。しかし、住宅ローンで自営業の方が苦労していることと賃貸併用住宅で事業主の方が苦労するのは実は全く違うのですね。
住宅ローンというのは自営業の方にはなかなか融資が下りにくいものなのですが、賃貸併用住宅であれば、実は住宅ローンより簡単なのです。なぜなら、住宅ローンは融資を受ける人の属性や年収を優先的に判断されるわけですからね。サラリーマンの収入であれば収入がそのまま収入として認められますが、自営業の方は収入があってもリスクがある、不安定であると見られ、評価が半分ぐらいに下がってしまうのです。したがって、年収500万円の自営業の方は、サラリーマンの方に例えると年収250万円ほどにしか評価されないので、なかなか融資が下りにくいと言う現実があります。
ですが、賃貸併用住宅の物件の場合は、銀行が1番に優先するのは物件の事業性なんです。2番目に優先されるのは、物件の担保価値。そして、3番目に、所有者の属性が見られるのです。したがって、物件の事業性さえよければ、所有者が個人事業主であっても銀行は住宅ローンの時ほど重要視しないのです。だからこそ、事業者の方は住宅ローンで戸建てを立てるのではなく、「賃貸併用住宅物件」を取得しようとした方が圧倒的に良いと言うことなのです。
潮凪 合わせて自宅も手に入ると言う事なんですよね。
大長 そうですね
Q:それは驚きました。おそらく「賃貸併用住宅の融資」と「一般の住宅ローン融資」について、まだまだ違いを知らない人が大勢いますね・・・。
大長 そうですよね。それは世の中の95%以上の方が住宅ローンによって自宅を購入していると言う現実があると思います。賃貸併用住宅に至っては数%も活用されていないので、結果的に知られていないと言う状態にあるのです。母数が違いすぎるのです。住宅ローンと言えば、戸建てかファミリー向けのマンションしかないと思い込んでいますからね。
Q:たしかに。では、賃貸併用住宅における「事業性」や「物件の担保価値」について教えていただけますでしょうか。では、賃貸併用住宅における「事業性」や「物件の担保価値」について教えていただけますでしょうか。
大長 事業性とは、賃貸物件の部屋から高い家賃が取れて、売り上げが上がること。その売り上げからローンを返済するので、家賃収入が借り入れ額の返済より上回れば事業性が良いと評価されます。担保価値と言うのは、住宅ローンだと戸建てやファミリー向けのサイズなので、若干小さいのですが、賃貸併用住宅は自宅+賃貸物件なので不動産が大きい規模になるのですね。その分価値が上がるのです。
Q:なるほど。潮凪先生の物件ではいかがだったのでしょうか?
大長 目黒区洗足のハートランドテラスにおきましては、賃貸の部屋が4室あり、自宅に対して4世帯から家賃収入が見込めると判断されたのですね。
潮凪 駅からも徒歩5分ほどのアクセスでしたし。
大長 この物件の場合、家賃で全て住宅ローンが返済できる計算だったのです。
Q: 事業性が非常に良かったことに加えて物件も大きいところだったから評価され、融資が下りると言う結果につながったのですね。
大長 はい。銀行サイドからの意見をお伝えすると、銀行はその土地に対して家賃を査定することもできるんですね。オーナーがどういう属性であったとしても、その土地に家を建てて想定内の建物が立つと、想定される家賃も確度が高いものだった。つまり、オーナーがどういった収入形態であったとしても、家賃収入で貸したローンの返済はできると銀行が判断できた物件であったことなのですね。
ですから、どんな立場にあったとしても、そういった物件を見つけられることができれば個人事業主も家を持つチャンスがあると言う事なんですね。
Q: 今回、独立系クリエイターや小規模事業主経営者が自宅兼事務所を都心に持つと言う企画を立てておりますが、これについては賃貸併用住宅を活用すると言う点でいかがでしょうか?
大長 居住用賃貸物件が併用されていて、その事業性が良ければ大丈夫です。
Q:潮凪先生、実際にハートランドテラスを建てるまでのエピソードをもう少し教えていただけますでしょうか?
潮凪 最初、自分で動き始めた時には、正直まだ半信半疑というか夢を見ているような感じではありました。ですが、夢を見るのはタダなのでこの際しっかり見てみようと思いまして大長さんに相談していました。大長さんからは、「スーモで1日5分、土地探しから始めていきましょう」と言うアドバイスをいただき、まずは土地探しを始めました。
実際にどれくらいの広さで、どんな建物が立つかと言うのを調べていくことからスタートでした。容積率や建ぺい率の計算も教えていただきまして、実際に調べていくとここにこんな建物が建つのか・・・とだんだん理解できるようになってきましたね。
容積率を見ていくのが楽しくなりました。特に角地と呼ばれる場所は4階建てや5階建てを立てるのに適しているとか。こういったことがあるんだと言う発見が面白くて、角地家広い道路沿いの土地を重点的に探していったのです。容積率を見てワクワクイメージしながら土地を探していきました。良い土地があったら、不動産屋さんに連絡をして、住所を聞き、仕事のない夜中の時間を使っては実際に見に行きました。そこで自分のビジネススタイルやライフスタイルに合うかどうかもイメージして判断しました。
最初に見つけたのは、東急目黒線不動前駅近くの物件でした。その物件は8階建てまで建てられる土地だったんです。目の前に40メートルの道路があって、ビルが建てられる物件でした。土地代は約7000万円位、ビルを立てると1億8,000万円位。その物件を本気で獲得しようと頑張って動いて、設計図まで作っていただいて銀行融資を申し込みしようとしたのですが・・・残念ながら競合に先に抑えられてしまい、取得ならずでした。
何分、競合は7000万円の現金を用意してきたのですから。さすがに勝ち目がありませんでしたね。なるほど、そういう駆け引きがあるんですね・・・
潮凪 はい。しかし、再び気を取り直して、土地探しをし続けていったところ、今度は東急池上線旗の台駅前徒歩1分の場所に2つの住戸が建てられる魅力的な物件があったのですね。いわゆる「ニコイチ」物件。両方購入して建物を建てると4階、5階建てが建てられるという計算でした。そこも事業シュミレーションしていたのですが、結論から言うと銀行融資が降りませんでした。銀行が収益性、事業性が良くないと判断したのです。
大長さんからもアドバイスいただいたのですが、駅から近すぎたのが難しかった原因だったのではないかと。駅から近いところは、やはり土地は高いのです。でも賃貸併用住宅の物件に住みたいと思う人は徒歩1分の近さまでは必要なく、実際は徒歩5分ぐらいの場所でもちょうどよかったりするのです。徒歩5、6分歩いても良いので、少しでも家賃が安いところが意外に良かったりするんですよね。
結果的には、事業性が赤字が出るかもしれない懸念があったことと、不動産業者との相性もあわなさそうと感じたことも断念して良かったのかもと思えました。
・・・と、ここまで説明してきましたが、実は最終的に落ち着いたこの目黒・洗足のハートランドテラスは、不動前や旗の台の物件を見つける前からもともとチェックしていた場所だったんですよね。運命の出会いですね(笑)結局、元鞘に収まったという。
当初はこの物件の土地も1億近くの値段が付いていたのです。
でもそこで、大長さんに「もう少し待ってみてください!この土地はおそらく一般住宅にしては土地が広すぎるので、誰もきっと手をつけないと思います。だからそのうち値下がりしますから」と言われて。そこで10ヵ月くらい待っていたら、本当に500万円位値下がりしたんです。ある程度下がったなと思ったタイミングで土地のオーナーに声をかけました。そこからさらに交渉を重ね、結果的には900万円位土地代が下がった段階でうまく購入できたのです。
大長 時間をおいてみたのがよかったですよね。
潮凪 そうだったかもしれませんね。さらに、旧自宅の物件を売ってお金に変えて、それを元金にこちらの土地を購入したと言う経緯もあります。これは少々テクニックが必要なことで、プロフェッショナルである大長さんにアドバイスをいただきました。自宅を焦って売って、新築が立つまでの間賃貸物件に仮住まいをしなくて良い―――そんなテクニックを学びました。
Q:なるほど〜。それは大きいですね!
潮凪 そうですね、新築が立つまでの間、また仮に住む賃貸物件を探さなくてはいけないと思うと大変だったんですね。できれば、住宅に住み続けながら新築の物件を建てて引っ越すと言う事をやりたかったのです。そう考えていたら大長さんから、「大丈夫ですよ。それができるプランがあります」とアドバイスしてくださいました。だから迷わず、じゃあやります!と決断しましたね。
Q:そうだったのですね、大長さんのおかげで土地探し以外はスムーズに進んだと言う事ですね。
潮凪 土地探しも意外に楽しかったですよ。今でも土地探しをやり続けたいと思いますもの。(笑)
Q:融資が下りるときっていうのはどうだったのでしょうか?
潮凪 融資を申し込むのはどうしてもドキドキするものではありますが、ここをスムーズになるように指導いただきました。いくら収入が入って、いくら出て行くか。いくらまでマイナスであれば自分の収入から補填すれば良いのかというところまでが分かりましたので、安心して進めることができたと言うことがありました。
さらに、僕の場合自分で文章学校を運営していまして、毎月、固定収入が入ってくる仕組みを作っていました。そこが銀行にも評価されましたね。大きな仕事を単発で獲得していくよりも、地道に毎月固定で収入が入ってくる事業や仕組みを手に入れると評価が上がり融資が下りやすくなることを大長さんから教わりました。
大長 そうですね、セミナーでは銀行の審査が通りやすいビジネス構築法などもお伝えしたいと思っています。より高額の融資を受けるために、必要な準備方法です。
Q:その安定収入の有無によって、融資がどのくらい変化していくのでしょうか。
大長 あくまで、それは個人の属性による評価になりますので、取得物件の収益性により、融資条件の優先順位はそんなに高くないのですが、ただ最終的には融資の可不可の話ではなくて、借主側としては融資額が満額下りるか否か、そのギリギリのときに有利になるということです。金額面で言うのであれば、数百万円から数千万円位までの準備のレベルに相当します。
潮凪 僕の場合、自社においては借り入れが一切無い状態であったと言うこともあったのですが、借り入れされている方の場合、不利になったりするのでしょうか
大長 もちろん、借り入れがない方が有利ではあるのですが、たとえ借り入れがあったとしても、銀行の特性を理解して準備をして銀行にしっかり交渉することで、必ずしも融資が降りないと言うわけではありません。借り入れがあったとしても十分に対応することは可能なのです。
潮凪 返済等を定期的にきちんと返している事で信用になっているケースになるという。
大長 それもありますが、その部分を融資物件の事業性や担保価値で改善することもできます。これから日本では人口が減少して、たとえ自動車製造業であっても先行きが暗いとみられています。それは他の事業であっても同じです。その先行きの暗さから回復するもしくは事業を維持するためにも各事業主にとって賃貸収入と言うのは非常に大事になってくると思います。そういった事業者の方をサポートしていきたいですね。
Q:大長さんの場合、ただ土地や建物を売るのではなく事業主の方のビジネス回り収入についてもコーディネートしてもらえるって言うところが大きいですよね。
大長 賃貸物件を持つと言う事は、個人事業主の方の経営をサポートすると言う意味も持ちます。
Q:潮凪先生、現在のハートランドテラスを建てて2年以上経った今、実際にビルを立てる前と後で、どのように生活や収入が変わりましたでしょうか?
潮凪 まず何より出費が減りました。あとは、盤石になった。言い換えるなら、お尻の座りが良くなった(笑)と言いましょうか。今まで華やかな場所に事務所を借りて楽しくやっていたのですが、一国一城といいますか。心の中の座りが非常に良くなりました。
それまではいい意味で、ふわふわしていた部分もあったのですが、これだけで良いのだろうかと言う葛藤がありましたからね。
大長 やはり大手企業に所属しているのではない限り、安定収入を事業で手に入れるのは難しいので、個人事業主はいつでも不安定なマインドになってしまう方が多いと思うのですね。
潮凪 そんな時にここから独立事業主としてのスタイルができたと自負できました。なぜなら、ハートランドテラスを建てたときに、不動産を手に入れたと言う感覚もありましたが、クリエイティブワークの延長でもあったな、と。賃貸併用住宅は、独立系クリエイターや経営者にとっての1つのクリエイティブの形として土地に存在しているまたは建物として存在していると言う感覚です。
企画プランニング、商品やサービスの開発などをしながら皆様も収入を得ておられると思いますが、行き着く場所は不動産や自宅ではないかと思います。今や出版社も経営安定化のために不動産をやっていますしね。
1つのクリエイティブワークとしての建物、キャッシュフローが存在すると思うのです。
また、こういった空間があることで様々な交流も発生しますので、心の豊かさが感じられる、コミュニケーションも発生する場所になるのです。様々なドラマが生まれ、そこから地域とのつながりも生まれていきます。
そういったクリエイティブの変化形を楽しむことができることも僕にとっては大きなメリットになっています。
Q: 潮凪先生にとってはクリエイティブの集大成と同時に、賃貸併用住宅のビジネスモデルを抱き合わせた珠玉の作品に仕上がったと言う事ですね。
潮凪 そうですね。こうやって地に足をつけるようになれたら、安心して華やかな場所にも出かけられるようになるのです。何も持っていないときと心境は違いますね。
大長 いやあ、いいですよね。今では、会社を立ち上げるのは簡単な時代になりましたが、「自社ビル」を持っている事業主と言うのは本当にわずかですよね。ですから、その属性に入ると言う事は希少価値が非常に高いと言うことになるのです。
潮凪 何より、独立系クリエイターの方や経営者の方は何か様々なことを抱えて会社を退職して現在自分で会社を経営されていらっしゃると思うんですね。独立してこれまで大変なこともたくさんあったと思いますが、自分の意地として、お世話になった方へのお礼の形として、自分自身を表現していただいて、共に語り会えたりしたらすごく余生は楽しんじゃないかなと思うんですね。
僕も会社を辞めた時は上司に馬鹿にされましたし、たしなめられました。ですがそこで腐ることなく、ここまでできた!と言う印を示したかったというのがあります。それが自分に対する大きなエールにもなると思うんですよね。
Q:賃貸併用住宅はまさに夢を叶えるための大きな仕組みだったのですね
潮凪 そうですね。よく不動産とかの掘り出し物情報とか言うと「怪しい」と言うイメージが先行されてしまいます、僕も例にもれず、怪しい情報は常に警戒するし一切引っかからないタイプなのですが(笑)大長さんのこの賃貸併用住宅の仕組みに関しては本物だと確信しましたね。だから1億5000万円も投資しました。夢を叶えるための最大級の仕掛けだったと言う事です。ノリで会社を辞めた自分が、まさか自社ビルを建てて持てるなんて思ってもみなかったです。
大長 今のところは、東京の不動産に置いて賃貸経営の底力となる部分ですね。衣食住のうち「住居」は古今東西必ず必要なものですし、世界中見てもすぐ家はあって、歴史的に見ても古来から住まいと言うのはずっとあったのですね。居住地を貸し出すと言う事は過去も必要でありましたし未来も必要である事は変わらないのです。不動産はどんなビジネスオーナーにおいても必ず持つと言うタイミングが出てくるので、勉強しておくことが必要になってくると思います。
潮凪 今回非常に良かったのは、完全独学で不動産を勉強したら5年から10年は実らないと思っていたことが、大長さんのアドバイスをいただくことによって、もののわずか1年8カ月でビルが建てられたと言うのは大きいですね。
大長 そうですね。あともう一つ大事なことがありまして。1回でも失敗をしてはいけないのです。だからこそ、過去の事例をたくさん知識として持っている人に相談することが良いと思いますね。不動産と言うのはメリットもデメリットも所有者にダイレクトに届くので、これを勉強していくことが非常に大事ですね。
潮凪 もし不動産屋に相談に行っていた場合、不動産屋の都合によって売り付けられた可能性もあったのですが、大長さんはあくまで中立の立場でお話をしてくださるので近く物件を何件か持ってきてあった判断を委ねさせてくれるのです。
大長 そうですね、私がセミナーでお伝えしている事は、不動産を見る「いい目」を持って欲しいということです。紹介を期待するのではなく、いいものを自分で探し、自分でジャッジできるよう、ご自身の能力を上げていただくことが大事だと思っています。一生使えるノウハウのトレーニングですから。潮凪さんにアドバイスをして良かったと思えたのは、潮凪さんご自身がすごく成長されたことだと思うのですよね。
潮凪 学んだと言うよりは、トレーニングをして筋肉をつけたり技を身につけたりするような感覚で、大長さんの助言を聞きながらワークアウトを実践した事ですね。最終的な決断は全部自分で行いました。選択肢だけ大長さんが用意してくれましたね。決定はあくまで自己責任。ですから、自分で判断できない人は賃貸併用住宅を選択した方がいいかもしれません。
大長 そのためにも、まずセミナーに参加して知っていただきたいですね。
潮凪 こういった賃貸併用住宅で自宅兼事務所を持った人たちが集まるオーナーズクラブのようなものも作りたいですよね。
大長 いいですね。そういった人たちが集まる場に入ってもらうと、また新しいイノベーションも起こっていくと思います。
潮凪 この賃貸併用住宅の仕組みは、1棟持って終わりではなく、2棟目、3棟目も持つことができるのが魅力ですね。
大長 はい、2棟目、3棟目を持つことによって節税対策にもなりますから、ぜひ活用してほしいですね。
Q:最後にメッセージを
大長 これから日本の将来はあまり明るくないと言われていますが、安定した不動産を活用して皆様の事業や人生をぜひ明るくしてもらいたいと思います。
潮凪 独立系クリエーター・事業主・小規模企業経営者の方の、クリエイティブで堅実な経営安定化計画を皆でぜひ実現しましょう。自社ビルを建ててクリエイティブをもっと加速させましょう。オーナーズクラブで待っています!
潮凪洋介 エッセイスト、イベントプロデューサー、株式会社ハートランド代表。「自由人生」と「恋愛」をテーマにした書籍、イベント、講演会を企画。1993年早稲田大学卒。60冊累計160万部「男が大切にしたいと思う女性50のルール」「もういい人になるのはやめなさい」「バカになれる男の魅力」☆著者養成 潮凪道場 ☆大人の海辺の社交場「芝浦ハーバーラウンジ」☆クリエーターの創作基地「目黒クリエーターズハウス」☆パラレルワークの学校 自由人生塾主宰.
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大長信吉
千葉大学大学院工学研究科卒、カメラメーカー在籍中から賃貸経営を始める。 |